物質・材料研究のための機械学習応用の試み 〜アモルファスシミュレーションとハイスループット計測データ解析〜

講師 安藤康伸(産業技術総合研究所)
日時 2019-02-21 15:00–16:00
場所 山形大学小白川キャンパス 理学部13番教室


アブストラクト 本講演では、機械学習を使うための研究に陥ることなく物質・材料研究を進めるためにいかに機械学習技術を利用するかについて議論する。特に実際の研究事例として「アモルファス物質に関する階層的シミュレーション」と「ハイスループット計測データ解析」について解説を行う。アモルファス物質は安定な結晶構造を取らないために構造解析が困難であり、また最適化された経験的ポテンシャルが少ないことから多くの系で第一原理計算に頼る必要があった。前半では第一原理計算を機械学習することで低コストなポテンシャルを作成し、これまで計算コスト的に取り扱いが困難であった課題に挑戦した事例をいくつか解説する。また計測データの肥大化やフィッティングモデルの任意性といった課題に対しても機械学習技術は有効である。後半ではこれらの課題に対してEMアルゴリズムや交換モンテカルロ法を用いたデータ解析手法を用いた解決策について解説する。